法人税の納付方法は?納付期限と6つの納め方を税理士が解説

法人税の基礎
税理士が執筆・監修
条文と実務経験にもとづき、最新の税制改正を反映して解説しています

法人税の申告書を作り終えても、それだけでは手続きは終わりません。期限内に税金を納めるところまでが一連の流れです。納付方法は年々増え、いまでは税務署の窓口に行かなくても、パソコンやスマホから納められるようになっています。

この記事では、法人税の納付期限と、6つの納付方法(窓口・ダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカード・スマホアプリ・コンビニ)を、金額の上限や手数料の有無とあわせて整理します。あわせて、地方税の納め方(eLTAX)と、納め忘れたときの延滞税についても解説します。

免責: 本記事は記載時点の国税庁・e-Taxの案内にもとづく一般的な解説です。手数料率・上限額・対応アプリは変更されることがあります。納付前に国税庁の最新情報をご確認ください。

法人税の納付期限は「事業年度終了後2か月以内」

法人税は、原則として事業年度が終了した日の翌日から2か月以内に、申告書の提出とあわせて納付します。たとえば3月決算の会社なら、原則として5月31日が申告・納付の期限です(この日が土・日・祝日にあたる場合は、翌開庁日が期限になります)。

決算日を過ぎても、この期限までに納税資金を用意しておく必要があります。申告期限の延長の特例を受けている会社は納付期限も延長されますが、その延長期間には利子税がかかるため、実務では本来の期限までに「見込納付」をして利子税を抑えるのが一般的です(詳しくは確定申告期限の記事で解説しています)。

また、前年の税額が一定以上の会社は、事業年度の途中で中間申告・中間納付が必要になります(中間申告の記事を参照)。

納付方法は主に6つ

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図1:法人税(国税)の主な納付方法6つ(上限額・手数料・特徴)
図1:法人税(国税)の主な納付方法6つ(上限額・手数料・特徴)

法人税(国税)の主な納付方法は、次の6つです。金額の上限や手数料に違いがあります。なお、下表の上限額・手数料は2026年7月時点の国税庁・e-Taxの案内に基づくもので、改正で変わることがあります(最新は国税庁で確認してください)。

納付方法 金額の上限 手数料 特徴
窓口(金融機関・税務署)で納付書 なし なし 現金と納付書が必要
ダイレクト納付(e-Tax) なし 無料 口座から直接引き落とし。法人向き
インターネットバンキング等 金融機関の範囲内 無料 ネットバンキングから納付
クレジットカード納付 1,000万円未満 あり(決済手数料) 「国税クレジットカードお支払サイト」から
スマホアプリ納付 30万円以下 無料 ○○Payなどのスマホ決済
コンビニ納付(QRコード等) 30万円以下 なし コンビニ店頭で納付

以下、それぞれを見ていきます。なお、個人の所得税・消費税で使える振替納税は、法人税では利用できません

※ダイレクト納付・インターネットバンキングの納付額は、届け出た金融機関の利用可能額の範囲内です(多くは高額に対応)。また、キャッシュレスの各方法では原則として領収証書は発行されません(コンビニ納付は「払込金受領証」が交付されます)。領収証書が必要な場合は、金融機関または税務署の窓口で納付書により納付します。

窓口・納付書での現金納付

もっとも基本的な方法が、納付書を使って金融機関や所轄の税務署の窓口で現金納付する方法です(国税通則法34条)。金額の上限はなく、手数料もかかりません。

納付書は税務署で入手できます。ただし、窓口へ足を運ぶ手間があり、近年は電子納付が普及しているため、件数が多い会社ほど電子的な方法へ移行する傾向があります。

ダイレクト納付(e-Tax)──手数料無料・高額の納付にも便利

ダイレクト納付は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を通じて、あらかじめ届け出た預貯金口座から直接引き落として納付する方法です。

  • 決済手数料が無料
  • 国税庁が定める金額上限はなく、高額の納付にも使える(数千万円・数億円の納付も可能。ただし届け出た金融機関の利用可能額の範囲内)
  • 申告データと連動して、画面の操作だけで納付できる

これらの特徴から、法人の納付方法としてもっとも使い勝手がよいとされます。利用するには、事前にe-Taxの利用開始手続きと、口座を登録するダイレクト納付利用届出書の提出が必要です(口座登録に日数がかかるため、余裕をもって準備します)。

また、e-Taxで申告データを送信する際に「自動ダイレクト」を選択すれば、原則として法定納期限の当日に、登録口座から自動で引き落とすこともできます(納期限の当日に申告した場合は翌取引日の引き落とし)。申告後に改めて納付操作をする手間や、納付忘れを減らせます。ただし、残高不足の場合は引き落とされないため、納付完了・エラーの通知は必ず確認しましょう。

インターネットバンキング等の電子納税

インターネットバンキングやATMから納付する方法もあります。e-Taxで納付情報を登録して発行される納付区分番号などを使う「登録方式」や、番号を入力する「入力方式」があります。国税の納税に手数料はかかりません(ただし金融機関のインターネットバンキング利用に係る手数料が別途かかる場合があります)。利用できるのは、Pay-easy(ペイジー)に対応する金融機関で、インターネットバンキング等を契約している場合です(対応状況は各金融機関でご確認ください)。

クレジットカード納付(決済手数料あり・1,000万円未満)

「国税クレジットカードお支払サイト」から、クレジットカードで納付する方法です。24時間オンラインで手続きでき、カードによっては利用に応じてポイントが付く場合があります(付与の有無・条件はカード会社の規約によります)。

一方で、納付額に応じた決済手数料がかかる点に注意が必要です(手数料は納付額に応じて加算され、金額が大きいほど手数料も増えます)。また、納付できる金額は1,000万円未満、かつカードの利用限度額の範囲内という制限があります。手数料とポイント還元を比べて判断しましょう。

なお、法定納期限までにカード納付の手続き(決済)を完了していれば、実際のカード代金の引き落としが納期限より後になっても、原則として延滞税は生じません。ただし、手続の完了後に取消しはできないため、納付額の入力ミスに注意しましょう。

スマホアプリ納付・コンビニ納付(30万円以下)

少額の納付には、次の方法も使えます。

  • スマホアプリ納付……e-Taxで申告等または納付情報の登録を行い、その受信通知(メッセージ)から国税の専用サイト(国税スマートフォン決済専用サイト)に進んで、○○Payなどのスマホ決済アプリで納付する方法。決済手数料は無料ですが、納付できるのは30万円以下です。あわせて、利用するスマホ決済アプリ側で設定された上限額によって、さらに納付額が制限される場合があります。
  • コンビニ納付……QRコードやバーコードを使ってコンビニ店頭で納付する方法。こちらも30万円以下が上限で、手数料はかかりません。

いずれも上限が30万円以下なので、金額の大きい法人税の本税では使えないことが多く、少額の納付向けの選択肢と考えておくとよいでしょう。なお、30万円を超える税額を分割して複数回で納めることは想定されていません。

地方税はeLTAXの共通納税で

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図2:納付額で選ぶ──おすすめの納め方
図2:納付額で選ぶ──おすすめの納め方

法人住民税・法人事業税などの地方税は、国税とは別に都道府県・市区町村へ納めます。現在は地方税の電子システムeLTAX(エルタックス)地方税共通納税システムを使えば、複数の自治体への納付を一度の操作でまとめて行えます。ダイレクト納付やインターネットバンキングにも対応しており、国税(e-Tax)と地方税(eLTAX)を電子で済ませると、納付事務を大きく効率化できます。

納め忘れ・遅れは延滞税に注意

納付期限を過ぎると、原則として延滞税がかかります。延滞税は納付が遅れた日数に応じて計算され、納期限の翌日から2か月を経過する日までと、それ以後とで割合が変わり、経過後は率が上がります(2026年〈令和8年〉の場合、2か月までは年2.8%、それ以後は年9.1%。割合は年ごとに変わるため最新は国税庁で確認してください)。

とくに、e-Taxで電子申告をした会社では、予定申告分の納付書が送られてこず、納付を忘れやすいケースがあります(お知らせがメッセージボックスに格納されるだけの場合があります)。「申告したから安心」ではなく、納付まで完了して初めて手続きが終わる点を意識しておきましょう。資金繰りに不安がある場合は、早めに税務署へ相談することもできます。

まとめ

  • 法人税の納付期限は事業年度終了後2か月以内(申告期限と同じ)。
  • 納付方法は主に6つ。ダイレクト納付(e-Tax)は手数料無料で、高額の納付にも使え法人にもっとも便利。
  • クレジットカード納付は決済手数料あり・1,000万円未満、スマホアプリ・コンビニ納付は30万円以下が上限。
  • 振替納税は法人税では使えない。地方税はeLTAXの共通納税でまとめて納付できる。
  • 納め忘れ・遅れは延滞税の対象。申告だけで終わらせず、納付まで確実に。

監修:税夢(税理士・税理士法人勤務)/ 運営者・監修者情報

本記事は、国税庁タックスアンサー・e-Gov法令検索等の一次情報と照合したうえで、税理士の監修のもとに公開しています。

最終更新日:2026.07.24 対象読者:中小企業の経営者・経理担当者

本記事は一般的な解説で、記載時点の制度・税率に基づきます。監修者個人の見解であり、所属する税理士法人の公式見解ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。

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