法人税の税率は何%?基本23.2%・中小15%の早見表【2026年(令和8年)版】

法人税の税率は何%?基本23.2%・中小の軽減税率15%と実効税率を解説 法人税の基礎
税理士が執筆・監修
条文と実務経験にもとづき、最新の税制改正を反映して解説しています

「法人税は、利益の何%かかるの?」——会社を経営していると、まず気になるのがこの点です。ところが「法人税率」はひとつの数字ではありません。会社の規模(資本金)や所得の大きさによって変わり、さらに法人税に上乗せされる地方法人税・法人住民税・法人事業税まで含めた「実効税率」で考える必要があります。加えて、令和8年4月1日以後に始まる事業年度からは「防衛特別法人税」という上乗せも始まりました。

この記事では、①法人税の基本税率、②中小企業の軽減税率(15%)とその条件・期限、③地方税まで含めた実効税率、④令和8年4月開始の防衛特別法人税、の順に、国税庁の一次情報にもとづいて整理します。

免責: 本記事は記載時点の法令にもとづく一般的な解説です。税率・軽減税率の特例・適用期限は税制改正で変わります。実際の申告では、必ず当年度の最新の税率を国税庁の資料等でご確認ください。

法人税の「税率」はひとつではない

法人税の税率は、法人の区分所得の大きさの組み合わせで決まります。ざっくり整理すると、次の2階建てです。

  • 基本税率=23.2%……資本金の大きい普通法人はもちろん、中小法人でも「年800万円を超える所得」にはこの率がかかります。
  • 軽減税率=15%……資本金1億円以下などの中小法人に限り、「年800万円以下の所得」の部分だけ低い率で計算できます。

つまり同じ会社でも、所得800万円を境に下の部分は15%、上の部分は23.2%という2段階になるわけです。まずこの「2階建て」をおさえると、あとの話が整理しやすくなります。

基本税率は23.2%(法人税法66条)

普通法人の法人税の基本税率は、所得に対して23.2%です(法人税法66条1項)。これは大企業・中小企業を問わず適用される基本の率で、平成30年4月1日以後に開始する事業年度から現在まで23.2%が続いています。

資本金1億円を超える大きな会社は、所得の全額にこの23.2%がかかります(軽減税率は使えません)。

中小法人の軽減税率:年800万円以下は15%

資本金1億円以下などの中小法人は、所得のうち年800万円以下の部分について、軽減税率で計算できます。

区分ごとの税率を国税庁 No.5759(令和7年4月1日現在法令等)にそって整理すると、次のとおりです。

法人の区分 年800万円以下(軽減対象部分) 超える部分
通常の中小法人(資本金1億円以下 等) 15%(本則19%の特例。所得10億円超は17% 23.2%
適用除外事業者(前3年平均所得15億円超) 19% 23.2%
中小通算法人 軽減対象所得金額以下は19% 23.2%
大通算法人 一律 23.2%(軽減なし) 23.2%
大法人・その完全子会社等 一律 23.2%(軽減なし) 23.2%

※国税庁 No.5759 および国税庁「令和7年度法人税関係法令の改正の概要」にもとづく(協同組合等・公益法人等を除く普通法人の場合)。中小通算法人の「軽減対象所得金額」は、年800万円を通算グループ内の各法人の所得の比で配分した金額です。大法人(資本金5億円以上 等)の完全子会社等・投資法人等は、資本金1億円以下でも「中小法人等」から除かれ全額23.2%になります。事業年度が1年に満たない場合、年800万円・年10億円は月数で換算します。数値は記載時点。最新は国税庁で確認してください。

15%は「本則19%」を引き下げた特例=期限がある

年800万円以下の軽減税率は、法律上の本則では19%です。これを租税特別措置法(42条の3の2)が期間限定で15%に引き下げています。この特例は改正のたびに延長されてきましたが、令和7年度改正で2年延長され、令和9年(2027年)3月31日までに開始する事業年度まで適用されます。恒久的な措置ではない点に注意してください。

所得が年10億円を超える事業年度は17%

令和7年度改正で新たに、所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分の税率が15%ではなく17%に引き上げられました(No.5759 注7、令和7年4月1日以後開始事業年度)。規模の大きい中小法人だけの取り扱いで、多くの中小企業には関係しませんが、該当しそうな場合は確認が必要です。

「適用除外事業者」は800万円以下も19%

過去3年間の平均所得が15億円を超える法人は「適用除外事業者」とされ、年800万円以下の部分にも19%が適用されます(軽減税率15%が使えません)。

グループ通算制度を使っている法人(通算法人)も15%の対象外

令和7年度改正により、グループ通算制度の適用を受けている法人(通算法人)は、15%(所得10億円超は17%)の特例の適用対象から除かれました(租税特別措置法42条の3の2、令和7年4月1日以後に開始する事業年度から適用)。除かれたあとの取り扱いは、通算グループの規模によって次のように分かれます。

  • 中小通算法人(通算グループ内に資本金1億円超の法人などがいない場合の通算法人)……年800万円を通算グループ内の各法人の所得の比で配分した「軽減対象所得金額」以下の部分に19%、それを超える部分に23.2%(法人税法66条6項・7項)
  • 大通算法人(通算グループ内に資本金1億円超の法人などがいる場合)……所得の全額に23.2%

グループ通算制度を選んでいない一般的な中小企業には関係しませんが、通算を適用している場合は自社単独の資本金が1億円以下でも15%は使えない点に注意してください。

そもそも「中小法人」に当たるか

軽減税率が使える中小法人とは、事業年度末の資本金または出資金が1億円以下の法人などです。ただし、資本金5億円以上の大法人に完全支配されている子会社などは、資本金1億円以下でも中小法人の特例から除かれます。自社が該当するかは「税務上の中小企業の判定」でも解説しています。

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図1:法人区分ごとの法人税率の一覧表。通常の中小法人は年800万円以下15%(所得10億円超は17%)・超は23.2%、適用除外事業者は年800万円以下19%、中小通算法人は軽減対象所得金額以下19%、大通算法人と大法人・その完全子会社等は一律23.2%。いずれも超える部分は23.2%
図1:法人区分ごとの法人税率(普通法人。協同組合等・公益法人等を除く)

法人税だけではない──「実効税率」で考える

会社の利益にかかる税金は、法人税(国税)だけではありません。実際には次のような税金が上乗せされます。

  • 地方法人税……法人税額に対して10.3%(国税。法人税額を課税標準とする)
  • 法人住民税……法人税額を基礎に、都道府県・市区町村へ
  • 法人事業税……所得等を基礎に、都道府県へ(一定規模以上は外形標準課税)

これらを合わせた実質的な負担割合を「法人実効税率」と呼びます。外形標準課税の対象でない中小法人では、年800万円を超える所得部分に対する法定実効税率は、標準税率ベースで約33.6%です。ただし、15%の軽減税率が適用される部分はこれより低いため、会社全体の平均負担率は所得金額によって変わります。なお、この約33.6%には防衛特別法人税は含めていません。

防衛特別法人税が発生する場合は、従来の実効税率から上昇します(財務省も、外形標準課税対象の大法人の標準的な実効税率について、対象となる場合は29.74%から30.64%になると整理しています)。「利益のうちどれくらいが税金で出ていくか」を考えるときは、法人税単独ではなく実効税率でとらえるのが実態に近い見方です。計算のしくみは「法人の実効税率とは」でくわしく解説しています。

令和8年4月から:防衛特別法人税(基準法人税額から年500万円を控除した額の4%)

令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から、防衛特別法人税が始まりました。これは防衛力強化の財源を確保するために創設された付加税で、法人税額そのものに上乗せされます。

計算のしくみは次のとおりです。

  • 税額 =(基準法人税額 − 基礎控除額 年500万円× 4%
  • 「基準法人税額」は、所得税額控除・外国税額控除などを適用する前の法人税額
  • 基礎控除が年500万円あるため、基準法人税額が500万円以下の会社では追加負担が生じないケースが多い(事業年度が1年未満の場合、年500万円は月数で按分)
  • ただし、税額がゼロでも申告書の提出は必要。防衛特別法人税は法人税・地方法人税の申告書と一体の様式で申告し、別表一等では記載部分が別葉となります

多くの中小企業では基礎控除の範囲に収まりますが、利益の大きい会社では実質的な負担増になります。くわしくは「防衛特別法人税とは」で解説しています。

計算例:所得1,000万円の中小法人(軽減税率あり)

資本金1億円以下・所得1,000万円・適用除外事業者ではない中小法人の場合、法人税額は次のように計算します。

  • 年800万円以下の部分:800万円 × 15%120万円
  • 年800万円超の部分:(1,000万円 − 800万円)× 23.2%46万4,000円
  • 法人税額の合計 = 166万4,000円

この166万4,000円を基礎に、さらに地方法人税(10.3%)・法人住民税・法人事業税が加わり、令和8年4月以後開始の事業年度では防衛特別法人税(基準法人税額が年500万円以下なら0円)も判定されます。課税所得に対する税負担は、年800万円以下に15%が適用される分だけ、先ほどの「年800万円超部分の実効税率(約33.6%)」より全体としては低くなります。実際の負担率は所得金額・所在地・会社の規模によって変わります。

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図2:所得1,000万円の中小法人の法人税額の計算例。800万円×15%=120万円と200万円×23.2%=46万4,000円で合計166万4,000円
図2:計算例(所得1,000万円の中小法人)の内訳

まとめ

  • 法人税の基本税率は23.2%。中小法人は年800万円以下の所得に軽減税率15%(本則19%の特例)が使える。
  • 15%特例は令和9年3月31日までに開始する事業年度まで。所得10億円超は17%適用除外事業者は19%通算法人は15%・17%の特例の対象外(中小通算法人は軽減対象所得金額以下が本則19%、大通算法人は一律23.2%)で、大法人・その完全子会社等は一律23.2%。
  • 課税所得への税負担は、地方税まで含めた実効税率で考えるのが現実的(外形標準課税対象外の中小法人で、年800万円超部分は標準税率ベースで約33.6%。防衛特別法人税は別途)。
  • 令和8年4月開始の事業年度から防衛特別法人税(基準法人税額−年500万円 ×4%)が上乗せ。基礎控除内でも申告は必要。
  • 税率・特例・期限は毎年の改正で動くため、税額の試算は最新の税率にもとづき、迷ったら税理士に確認を。

監修:税夢(税理士・税理士法人勤務)/ 運営者・監修者情報

本記事は、国税庁タックスアンサー・e-Gov法令検索等の一次情報と照合したうえで、税理士の監修のもとに公開しています。

最終更新日:2026.07.26 対象読者:中小企業の経営者・経理担当者

本記事は一般的な解説で、記載時点の制度・税率に基づきます。監修者個人の見解であり、所属する税理士法人の公式見解ではありません。個別の判断は税理士にご相談ください。

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